― 第一回(10/22 sat.) ―

 やわらかな陽射しの中にも冷たい風が通り抜ける日の午後、福岡市人権啓発センターにて、「NPO人生デザイン計画 〜私も、社会も、カラフルに。〜」がスタートしました。

 NPOの分野で、「組織人」として、そして「個人」の両面を充実させている方々のお話を通じて、自らの人生におけるNPO・ボランティアの位置づけやビジョンを再確認し、今後の活動や人生にさらに彩りを添えていただくために、このセミナーではとっておきのメニューをご用意しました。

 第一回目は、“「まっすぐ」に生き、「まっすぐ」に活動する”をテーマに、NPO法人「NPO高知市民会議」専務理事であり、「くらしを見つめる会」代表の内田洋子さんが担当されました。

 娘さんのアトピー性皮膚炎をきっかけに環境問題にかかわり真のエコロジーを追求して企業や行政を動かし「環境首都コンテスト」を展開するまでに至った真摯な取り組みのお話に引き込まれていきました。

 そして「買い物は買ったお店と商品を選ぶ日々の投票行為」と表現され、身近な「くらし」の中にも大きな意味が含まれることを意識する機会になりました。

 厳しい調査に基づくデータをわかりやすくまとめ、それが大きな力となっていくことを苦い体験談なども交えてお話され、その大切さと難しさを感じながらも内田さんの優しい語り口が自分にも出来そうな気にさせてくれたひとときでした。

            第一回目(10/22)の様子 → 


― 第二回(11/5 sat.) ―

 続いて第二回目は、“「スイッチ」で、活動を効果的に”をテーマに、NPO法人「ひろしまNPOセンター」の竹内 瞳さんにお話をいただきました。

 汗ばむほどの陽射しとなったこの日、会場の扉を開けるとそこはラテンの世界。軽快な音楽とともに明るく陽気な雰囲気の中で始まりました。

 公の時間は「ひろしまNPOセンター」でのお仕事に多忙を極めながらも、私的な時間はサルサに夢中、国際交流団体「ファシナシオン・ラティーナ」に所属しキーパーソン的な存在で活躍中です。

 NPOとサルサのバランスを上手にとって日々を楽しんでおられますが、バランスが悪くへこんだ日もあったというエピソードにはパワフルなだけではない奥深さを垣間見たようでした。

 まさにカラフルなNPO人生にエネルギーをもらった一日となりました。
そして、博多の夜を楽しんだ後はサルサを踊りに広島へ帰っていかれました。

 今週末もサルサな夜さ!


第二回目(11/5)の様子[右・サルサの基本動作を実演]
 


― 第三回(11/19 sat.) ―

天神ビルに場所を移しての第3回は「沖縄リサイクル運動市民の会」の後藤哲志さんにお越しいただきました。

 テーマは「『対話』をすすめ、つながりを多様に」。

 「対話とは個々のミッションが市民参加で淘汰される過程である」と、穏やかにそして熱く語られました。

 「(不公正に対する)怒りというマイナスのエネルギーをプラスに変えて発信する」ことは困難もたくさんあるけれど、「思いをきちんと伝えることがとても大切だ」とのお話にもう一度初心にかえって振り返ろうと感じた講座になりました。

 自然が大好きだった後藤少年は、生まれた育った東京から沖縄に移り住んで17年、ご両親も東京を離れ沖縄で暮らすようになって沖縄永住を決めた後藤さんに引っかかる言葉があるというのです。

 「人は生まれたところで役に立つ」という言葉。ずっと気になっていたそうです。

 懇親会の席で、そんな話をしているときに一人の方の素敵な言葉がありました。
「生まれたところがついてきたんだね」。
ホッとしたような後藤さんの表情が印象的でした。

 美ら海のさざ波を感じさせる詩のような言葉と優しい表情をたくさん福岡に残しつつ焼酎をゆっくり楽しんだ後は飛行機に滑り込みセーフというオチをつけて大好きな沖縄へ。
飛び梅の地、福岡へ今度はゆっくりお越しください。

          第三回目(11/19)の様子 →  


― 第四回(12/10 sat.) ―
 最終回となった第4回のテーマは、
「わたしも、社会も、カラフルになろう 〜スキル、キャリア、ライフワーク〜」。

 NPO法人「遊び塾 ありギリス」事務局長の桜井翠さんと「ASAP〜学校と社会をつなぐエージェンシー〜」事務局長の小河(おごう)けいさんにお話をうかがいました。

 桜井さんは勤めていた保育園での出来事をきっかけに、子どもの「なぜ?」に答える
保育者のあり方に疑問を感じ、以来ありギリスの世界どっぷりの生活に。

 小河さんはプライベートのASAPの活動から、仕事でも社会貢献推進チームで活躍するまでと一日のほとんどがONタイムであるといわれます。

 デイタイムはお仕事を持っていてNPOの活動はOFFタイムに、という方も多い業界ではありますが、人やお金が動き責任も大きなこの世界をOFFと言い切っていいものかどうかは意見も分かれるところかもしれません。

 今回お招きしたお二方の、ほとんどの時間をNPO活動に費やされつつ、重責の中で自己実現を目指しておられる姿は大変魅力的でそれぞれに、「まだまだ」「もっともっと」と、がんばっておられます。

 そんな中、毎月1本ずつの赤白のワインをご夫婦で楽しむ日を作りたいと話す桜井さん、そしてASAPの中では書類にハンコをもらって回るような事はしたくない、会社じゃないんだからと言う小河さんの一言に、ON生活の中にもOFFのエッセンスを取り入れているように感じました。

 人生は、何層もの色を重ねていくことでその人なりの素敵な色合いが出てくるのかも知れません。
 
 「NPO人生デザイン計画」シリーズもこれで完結。毎回たくさんの方々に参加していただき、タイトルにぴったりな豊かなお話に共感しつつ、NPOにかかわる方の真摯な姿に感銘を受けました。

 自分の人生に照らし合わせながら、でもあせらずにこれからも自己実現を目指したい
と心に誓ったシリーズになりました。

第四回目(12/10)の様子 →  



           [文責 : ふくおかNPOセンター プロジェクト・スタッフ 田泓 朋子 ]